広瀬雄一は、7歳の少女伊織と出会い、彼女を自分のアパートへ連れ帰った。みなし児だった伊織は、那波家に()ひきとられたが、ひどいこき使われ()方をされ()ていた。人間()不信に陥っていた彼女を、雄一はひきとるため那波家を訪ねる。東京()に家のある雄一は、仕事で札幌に赴任しており、彼の面倒は家政婦のカネが見ていた。カ()ネは反対するが、親友、津()島大介の励ましもあって、雄一は伊織を()育て()る決心をする。十年の歳月が()たち、伊織は17歳。雄一は伊織に北大を受けさせようとして()いた。彼女の高校には、同じく()北大を受けようとする那波家の次女、佐智子もいた。そして伊織の住む()雄一のアパートに、那波家の長女、裕子が引っ越して来た。裕子()の歓()迎会がアパートの住()人たちによって開かれ、見事な舞踊をみせた彼女は、一たん自室へ引()きあげた。
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